【人事が公開】昇格面接試験の落ちた回答例
昇格・昇進試験の面接を控える人、こんな悩みをお持ちではないだろうか。
- 面接でどんな質問をされるのか知りたい
- 落ちる回答を知りたい
この記事では、
大手企業の人事課長であり、昇格試験の面接官として、年間60名の面接を担当している私が
を解説する。この記事が合格に繋がったという声も聞くので、かなり参考になると思う。
本記事の信頼性
- 大手企業の人事課長であり、年間60名の昇格面接を担当
- 自身も、大手企業の昇格試験を合格実績あり(担当→主査→管理職)
- 後輩・同僚、ネットで相談いただいた方にレクチャーし、累計60名以上を昇格試験合格に導く
昇格面接試験の回答例5選
実際の試験であった回「落ちた回答例」を紹介する。
ここでは、5問解説するので、一つずつ何度も読み込んで、「面接官の視点」を頭にインストールして欲しい。
合格の理由、不合格の理由を知ることが重要です
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Q1:部門の現在の方針と、それにどのように取り組んできましたか?
部門全体では、①顧客満足度を昨年比で10%向上させることを目指している。
私のチームでは、顧客満足度で②何がボトルネックになっているのか把握できていないことが課題であった。
そこで、顧客からのフィードバックを貰う仕組みを構築し、データを収集するようにした。
次に、収集したデータを分析し、顧客からの問合せに対する回答が遅いことが、顧客の満足度を低下させていることを突き止めた。
対策として、顧客からの問合せに迅速に回答できるよう、③即時1次回答できるbotの導入、過去の回答事例をナレッジ化して検索できる仕組みを導入した。
その結果、顧客からの問合せに対して、1次回答を平均1時間早められ、対応時間の50%短縮することができ、④顧客満足度が17%向上できた。
部門の方針は主に顧客満足度を高めることを目指している。
私はその方針に従って、顧客満足度を高められるよう業務を進めている。
部門や上位組織の目標や方針は必ず押さえておく。
どんなに頑張って仕事してても、会社の方針とズレてたら全くの無価値。
会社→事業部→部門→担当→チーム→個人
のように、目標は上から下へブレイクダウンしてるイメージを持つこと。
面接対策としては、具体的には以下をすればいい。
①自分の位置するポジションの少なくとも一つ上の層の目標を押さえる
②その目標からズレないような自チーム(自分)の目標を立てる
③結果を出したエピソードを用意する
Q2:課題解決する際に、情報をどのように分析しますか?
まず、①現場の状況把握、情報収集が最重要と考えているので、現場を回り、②関係者からヒアリングをして生の情報を集める。
次に、③問題とその原因について仮説を立ててから、④統計的分析、トレンド分析、比較分析などを行い、仮説の検証を行う。
そして、分析結果を基に、最も効果的な解決策を選択する。その際、リスク、コスト、利益、実現可能性を考慮する。
データサイエンティストの部門に分析の協力を取り付けて、プロの分析結果から課題を定義する。
情報分析のプロセスと実際の手法を把握しておく。
情報分析の主な手法を記載しておくので、この中から使えそうなもの2個ほどピックアップして、どんな使い方ができるのか語れるようにしておくとよい。
- 定量分析(データ分析):数値で表されるデータを対象とした分析手法
- 定性分析(情報分析):数値では表せない事象や現象を対象とした分析手法
- 統計分析:相関分析や回帰分析など、統計的手法を用いた分析手法
- 現状分析:定量データや定性情報を基に、現状を明らかにする分析手法
- 課題分析:定量データや定性情報を基に、課題を明らかにする分析手法
- 市場分析:PESTや3C、5フォースなどフレームワークを用いた分析手法
- 経営分析:財務諸表等を用いて、経営上の課題を明らかにする分析手法
ただし、この設問の注意点として、分析手法だけをアピールしすぎると、現場をわかっていない口だけの管理職になり得ると判断される危険性がある。「現場の生の情報が重要」という要素も入れることで、現場をしっかりマネジメントできそうな姿を想像させるのが合格のコツだ。
Q3:過去に、重要な意思決定を行ったことはありますか?
Xという新技術を使用した開発プロジェクトが発足していたが、①自身のチームの有スキル者が、家庭事情により長期離脱することとなった。
対処案として、外部ベンダを雇ってエンジニアを確保するか、調整は難航するものの社内の有スキル者を何とか確保するかの案が考えられた。
私は、②③次期開発を見据えたときに、社内への技術ナレッジの蓄積を図った方が効率がいいこと、また、④社外へのキャッシュアウトを抑止できることから、関連部署と調整し、社内で有スキル者を調達することを意思決定した。
Xという新技術を使用した開発プロジェクトが発足していたが、エンジニアが不足しており、他の部署から調達することを意思決定した。
とにかく、幅広い視野で意思決定したとアピール
意思決定は管理職にとって最重要スキル。
目先のことではなく、将来を見据えた幅広い視野で意思決定できるかがポイント。
考慮・検討した視点が多ければ多いほど、管理職として適合できる人材と判断される。
例として、考慮すべき視点を記載する。
- 会社方針の視点
- 経営の視点
- 競合他社の視点
- 技術の視点
- 人材育成の視点
- 顧客の視点
- 企業ブランディングの視点
- 社会的貢献の視点
- コンプライアンスの視点
この中から何個か組合わせて、複数の選択肢の中から最適な選択肢を意思決定したと言えれば、この質問は合格。
Q4:チームメンバーのモチベーションを高めるためにどのように努めますか?
①メンバが抱える不安や不満を拾い上げ、改善していくことで、メンバのモチベーションを向上している。
そのために、日々、メンバ個々と必ず雑談をすることにしていて、そこでの②対話や顔色、声の調子などから不安や不満を感じ取るようにしている。
不安や不満を捉えたら、③自らがリーダとして積極的に改善できるよう動く。自分たちで改善できない範囲のものがあれば、④周囲の関係者や上司へも働きかける。
このような姿を見せたら、メンバも満足度が向上し、モチベーションが上がっている。
やりがいのある仕事をアサインする。規模が大きい仕事をしてもらうようにする。
部下を一人の人間として尊敬すること
そしたら自然とモチベーション上げるための方法は思い浮かぶのでは?
方法論に正解はないですし、色々な方法はあるので、あなたのキャラクターにあった方法を語れるようにしてください。
基本は対話です。
Q5:組織全体の人材育成において重要だと思うことは?
組織全体の人材育成においては、①組織の長期的な目標と従業員の個人的なキャリア目標を整合させることが重要と考える。
そのためには、まず、組織全体のスキルマップを作成し、②どの領域のスキルを有した人材が将来何人必要になる見込みで、現状、何人不足しているのかを視える化する。
その上で、従業員の個人的なキャリア目標も踏まえて、各人の育成計画を立案していくことが必要である。
今ある仕事をまわすために、直近で必要なスキルをまとめ、各人の育成計画に落とし込む。
「組織的」というのがポイント
育成というと、OJTとか部下個人のスキルアップ的なことをイメージする方が多いですが、組織的な人材育成のことも考えられる人材でないと、昇格できません。
回答例に記載した内容が王道なので参考までに。
以上、5つの質問に対して実際の回答例を交えながら解説した。
面接官の視点が、少しでもつかめただろうか? 感覚がつかめるまで何度も読み込んで欲しい。
昇格面接試験の回答例を知る重要性
まず、大事なポイントで、模範解答は存在しない。
この回答をしたら合格、この回答をしたら不合格、なんて基準は面接官は持ち合わせていない。
面接官は「あなたがどう考え、どう行動したか」を確認しているだけである。
そして、そのレベルが昇格後の役職に達しているかを見ているのだ。
候補者の「思考」「行動力」が昇格後の職位のレベルに達しているかを判定している
したがって、模範解答を真似ることが有効なのではなく、回答例を参考にしながら
- 「面接官の視点」を学び
- どう回答したら「思考」「行動力」が昇格後のレベルに達していると見られるか
を理解することが、合格のコツである。
面接官の視点をより深く学びたい人は、評価項目を解説した資料を無料で配布しているので、受け取って欲しい。
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昇格面接試験の対策のコツ
昇格面接試験の対策で大切なポイントは、以下の3点。
1. 面接官の評価項目を知る
まず重要なのが、面接官がどのような評価項目で評価をしてくるのかを知ることだ。
これを知っているのと、知っていないのとでは、回答を考えるときの対策の質がまるで変わってくる(当然だが)。
2. 評価されるアピールネタを整理する
評価項目を把握したら、あとはその項目ごとに評価(加点)されるエピソードを用意すればいい。
リンゴが欲しいと言っている人に、みかんを渡しても喜ばれないよね?
これらの対策の流れは、以下の記事でまとめている。
3. 昇格面接試験で落ちる理由を知っておく
落ちる理由を知っておけば、それをしないだけで不合格の確立が下がる(=合格の確立が上がる)
以下の記事で紹介しているので、一度は目を通すこと。
まとめ
昇格面接でよく聞かれる質問と、それに対する回答のポイント、受かる回答例・落ちる回答例を解説した。
重要なのは真似ることではなく、面接官の視点を学ぶこと。
まとめると、本記事では以下を紹介した。
特に後半部分は面接合格するために必要なエッセンスを紹介したので何度も読み込んで欲しい。
応援している。