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昇格試験は時代遅れ、それでも取り組むメリットとは

昇格試験が時代遅れだと感じていないだろうか? 昇格試験を控える人で、よくある悩みを以下に記載してみた。

昇格試験が時代遅れと感じる人の悩み
  • 画一的な試験で、昇格に値する人材かを判断できるのか納得できない
  • 今のビジネス環境に昇格試験が適合していないのではと思ってしまう
  • 昇格試験が時代遅れだとして、受験する必要があるのかを確認したい
  • 自社の昇格試験制度に対する不満や疑問がある
  • 自身の市場価値を高める方法について考えたい
  • 昇格試験対策に時間を取られず、より充実した私生活を送る方法を考えたい

これらの悩みについて、自身も昇格試験に悩み、その後、人事部門の管理職として、昇格試験の設計に携わっている徳丸が考えを解説してみる。

このブログの運営者情報。①大手企業の人事課長 ②昇進試験の制度設計・面接官担当 ③会社にも認定される昇格試験オタク
何でもご相談ください!
目次

1. 昇格試験が時代遅れと感じる理由

昇格試験がなぜ時代遅れと感じるのか、以下の7つの観点で解説する。

徳丸 博史
徳丸 博史

共感するものは何個ありますか?

(1) 実務能力との乖離

試験で問われる内容が、実際の業務で必要とされるスキルと一致しない。実務能力を見て欲しい。

実務内容によって、試験内容にマッチする人・しない人もいて、不公平。

(2) 急速に変化するビジネス環境とのミスマッチ

ビジネス環境は急速に変化していて、昨日の知識が明日には陳腐化してしまうこともある。

しかし、昇格試験の内容は比較的固定的で、この変化のスピードについていけていないケースが多い。結果として、試験で高得点を取れても、実際のビジネス現場で求められるスキルとのミスマッチが生じる可能性がある。

(3) 多様性の軽視

標準化された昇格試験は、多様な才能や背景を持つ従業員を適切に評価できない。

異なる経験や視点を持つ人材が、必ずしも従来の昇格試験で高い評価を得られるとは限らない。これは、多様性を重視する現代の組織文化と矛盾する点。

(4) 短期的な成果主義の助長

昇格試験は往々にして、短期的な成果(試験の点数)に焦点を当てがち。

これにより、長期的な視点での自己啓発や業務改善が疎かになる恐れがある。持続可能な成長や長期的な価値創造を重視する現代のビジネス哲学とは相容れない面がある。

(5) イノベーション能力の評価困難

昇格試験では、イノベーションや創造的問題解決能力を適切に評価することが難しい。

これらの能力は、現代のビジネス環境では極めて重要だが、従来の筆記試験や構造化された面接では測定が困難

(6) 継続的な成長の軽視

多くの昇格試験は年に一度や数年に一度といった特定のタイミングでしか実施されない。

これは、従業員の継続的な成長や日々の努力を適切に評価することを困難にする。現代の人材育成理論では、継続的なフィードバックと成長機会の提供が重視されているが、従来の昇格試験制度はこの点で不十分。

(7) ストレスと競争の過度な助長

昇格試験は往々にして、従業員間に過度な競争心やストレスをもたらす。

実際に、昇格試験に関連して鬱になった人を多く見てきた。

これは、協調性やチームワークを重視する現代の組織文化と相反する。また、試験のプレッシャーが従業員のメンタルヘルスに悪影響を及ぼす。

これらの理由から、多くの人が昇格試験を時代遅れだと感じている。しかし、これは昇格試験そのものを完全に否定するものではなく、むしろ評価システムの進化と改善の必要性を示唆する。

現代のビジネス環境に適した評価システムは、継続的なフィードバック、多面的な能力評価、実務に即したプロジェクトベースの評価などを取り入れた、より包括的なアプローチを採用するべきである。

ただし、既存の昇格試験制度にも、体系的な知識の獲得や自己分析の機会提供など、一定の利点があることを忘れてはいけない。理想的なアプローチは、これらの利点を活かして自身の市場価値を高めていくことだ。

2.時代遅れでも、昇格試験に取り組みべきか?

昇格試験にしっかり取り組む人と、そうでない人の間には、キャリアの成長に大きな差が生まれることは過去のデータを見てもあきらか。その差について解説する。

「昇格試験は時代遅れだからパス」ではなく、享受できるメリットを把握して、全力で取り組もう。そしたら、受かっても落ちても、見える景色が変わってくる。

昇格試験にしっかり取り組む人の特徴と利点

  1. 体系的な知識の獲得:業界や会社全体の理解が深まり、戦略的な思考が可能になる。
  2. 自己分析の機会:自身の強みと弱みを客観的に把握し、効果的なキャリア戦略を立てられる。
  3. 時間管理能力の向上:仕事と試験勉強の両立を通じて、効率的な時間管理スキルが身につく。
  4. ネットワーキングの拡大:同じ立場の同僚との情報交換や学習グループ形成を通じて、社内人脈が広がる。
  5. 上司からの信頼獲得:努力する姿勢が評価され、将来の重要なプロジェクトや役職への登用チャンスが増える。
徳丸 博史
徳丸 博史

一つ上の役職の目線を獲得する、唯一無二、最大の機会(チャンス)!

昇格試験に取り組まない人の特徴とリスク

  1. 知識やスキルの停滞:業界や会社の最新動向についていけず、付加価値の低い人材になりかねない。
  2. キャリアの停滞:昇進の機会を逃し、同期との差が開いていく可能性がある。
  3. モチベーションの低下:成長の実感が得られず、仕事への意欲が減退する恐れがある。
  4. 機会損失:新規プロジェクトや重要な役割を任される機会が減少する。
  5. 市場価値の低下:転職を考えた際に、アピールできる実績や成長の証明が乏しくなる。
徳丸 博史
徳丸 博史

時代遅れだからと挑戦しないと視座が高まらず、人生停滞する

3. 昇格試験を活用したキャリア戦略と自己成長

昇格試験を単なる昇進の手段としてではなく、「キャリア戦略を練る機会」として活用することをおすすめする。

試験対策を通じて自社の事業戦略や将来の方向性を理解し、自身のキャリアパスを思考する唯一無二の機会となる。

徳丸 博史
徳丸 博史

このような機会を逃すと、視座を高めるのはなかなか難しい

具体的な昇格試験の活用方法を紹介する。

(1) 組織文化への影響力の発揮

昇格試験の準備過程で得た知識や視点を活かし、組織文化の改善に貢献する提案を行ってみる。これにより、単なる受験者ではなく、「組織の変革を促す人材」というベースができるし、上層部にも認識されるチャンスが生まれる。

組織の変革力は、今後の社会で、会社員としても経営者・フリーランスとしても必須なスキル。

(2) 経営力に繋がるスキルアップ

昇格試験で問われる、事業計画の立案や組織マネジメント、リーダーシップ論などのスキルを習得しよう。偏りはあるものの、これらのスキルの勉強には結構いい機会だったりする。本を読んだり、課題に取り組むなどして、経営スキルを身に着けよう。

キャリアアップ、転職、独立時に非常に役に立つ。

(3) 効果的なプレゼン能力の向上

試験の面接対策を通じて、自身の考えを論理的かつ説得力を持って伝える能力が向上する。この能力は、日常の業務プレゼンテーションでも大いに役立つ。

特に、自身の成果をわかりやすく話したり、良い人材に評価されるための会話法であったりを磨いていく。

当然、転職活動やフリーランスでも活きてくるスキルになる。

(4) 市場価値の向上(長期的視点でのキャリア選択)

昇格試験対策で得た幅広い知識と、それを実務に活かした実績は、社内外で高く評価される。これは、将来の転職や新たなキャリアへの挑戦時に大きな強みとなることは言うまでもない。

徳丸 博史
徳丸 博史

長期的な視点でキャリアを考えることが重要

昇格試験の面接やレポート、アセスメント試験の勉強や実試験で習得できるスキルは、企業や職位によって異なるが、一般的に以下のようなものが含まれる。

昇格試験で習得できるスキル(右の「▼クリックで開く)

経営戦略:

  • 経営理論の基礎
  • 事業計画の立案と実行
  • 市場分析と競合分析

リーダーシップとマネジメント:

  • チーム管理手法
  • モチベーション理論
  • コンフリクト解決スキル

財務・会計知識:

  • 財務諸表の読み方と分析
  • 予算管理
  • 投資判断の基準

マーケティング:

  • マーケティング戦略の立案
  • 顧客分析
  • ブランド管理

法律と倫理:

  • 企業法務の基礎
  • コンプライアンス
  • ビジネス倫理

プロジェクトマネジメント:

  • プロジェクト計画と実行
  • リスク管理
  • スケジュール管理

コミュニケーションスキル:

  • プレゼンテーション技術
  • 交渉術
  • 報告書作成スキル

IT・デジタルスキル:

  • データ分析
  • デジタルトランスフォーメーションの基礎
  • 情報セキュリティ

人事管理:

  • 人材育成手法
  • 評価システム
  • 労務管理の基礎

グローバルビジネス:

  • 異文化理解
  • 国際経営戦略
  • 外国語スキル(特に英語)  など

(5) ワーク・ライフ・バランスを意識した学習( 生涯学習の基盤形成)

昇格試験対策と私生活のバランスを取ることも重要。

効率的な学習方法を見つけ、仕事、試験対策、私生活の質をバランス良く保つことで、持続可能なキャリア戦略を構築できる。

昇格試験への取り組みを通じて身につく学習習慣は、生涯学習の基盤となる。常に学び続ける姿勢は、急速に変化するビジネス環境で不可欠なスキルとなる。

(6) 自己効力感の向上

試験に向けて努力し、成果を出す経験は、自己効力感を高める。

この自信は、将来の困難な課題に直面した際の強い味方となる。

昇格試験のような競争の中でのハードルを越えていく経験は貴重であり、自分の中での経験という財産になる。

これを放棄するのはあまりに勿体ない。

成功すれば自信が付くし、失敗しても自分の弱みや課題が把握できるので、取り組みことで成長は必ずできる。

時代遅れでも!昇格試験の対策はガイドに従うべし

本ブログで、昇格試験の各種試験の対策ガイドを発信している。

徳丸 博史
徳丸 博史

どうせ取り組むなら効果的にやりましょう

■人事面接の対策ガイド(↓)

■小論文試験の対策ガイド(↓)

■ケーススタディ演習の対策ガイド(↓)

■インバスケット演習の対策ガイド(↓)

結論:時代遅れな昇格試験への取り組みが未来を拓く

昇格試験は確かに完璧な評価システムではなく、時代遅れな部分もある。しかし、それに真剣に取り組むことで得られる利益は、試験の結果だけにとどまらない。

知識の深化、スキルの向上、人脈の拡大、そして何より、自己成長への強い意志を示すことができる。

昇格試験に向けた努力は、あなたの潜在能力を引き出し、キャリアの可能性を大きく広げる絶好の機会となる。この機会を最大限に活用し、自身の市場価値を高めていくことが、現代のビジネスパーソンに求められる賢明な戦略だと思う。

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人事面接の評価項目完全解説セミナー
徳丸 博史
人事担当・課長
現在は人事担当で課長職。
昇格試験の面接官を担当し、年間60名程の面接を実施。
初めての昇格試験時、周りからのプレッシャーと対策の仕方がわからなすぎて焦りから鬱病に。
一度不合格になったが、翌年に再受験で合格。
昇格試験で辛い想いをしている人を救うべく、不透明な昇格面接の対策法を発信する。
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